待ちぼうけ
ここは私の特等席。
誰が決めたかは分からないけれど、いつからかそうなっていた。
ここは汽車の通る駅。
気付いたら、汽車が通るようになっていた。
ここは私が人を待ち続けている場所。
駅のホームのベンチに座って、ずっと昔から待ち続けている。
そう、こんな待ち続けている私、「木暮 真穂子 (きぐれ まほこ)」はちょっと前に二十歳を迎えた。
そんな私が待っている人は私の親友。
4年前、引っ越していってしまった親友だ。
「この駅に戻ってくる、必ずね。」気の強いあの子はそう言った。
真穂子「本当かしらね、、、。」
4年も待っているとついつい思ってしまう。
ふふふ、何で4年も待っていられるかって言うと、、、。
私は、お嬢様、、、らしくは無いけど、世間一般ではそう呼ばれているの。
だから、暇なの。
働かせてはくれないのよ、私の両親が。
だから私が選んだ職業、それは待つこと。
変な職業ね、いいえ、そんな職業は有りはしない。
駅員 「列車が到着致しまーす、、、白線の内側にお下がり下さーい。」
この言葉を聞くのは何回目だろう、、、忘れたわ。
汽車が白い煙を吐き出しながら、駅に到着する。
相変わらず、乗客数は少ない、、、乗っている人は二十数人。
、、、そうなのよね。
ここは田舎で、私の故郷。
当然だけど、今ここを、また出発しようしているこの汽車は赤字だらけ。
何故今現在も走っていられるかとゆうと、私の我が侭で走らせているの。
私が昔、「私の二十歳の誕生日まで。」こうお願いしたの、あの子がこの町を去った日から。
だけど、、、未だに来ない。
その上、二十歳の誕生日は先週過ぎた。
、、、だから今日が最後の待ちぼうけ。
ここの駅は今日でお終い。
きっと、、、くるわ、あの子は。
私が大好きなあの子はきっと来る。
乗客1「よっ、お嬢様、今日も彼氏を待っているのかね。」
真穂子「いいえ、彼女です。」
二人 「あははは、、、。」
このおじさんはいつも私に何かを言ってくれる。
いつからか友達になっていた。
おじさん「はぁ、、、残念だねぇ、今日でもうここの汽車に乗れなくなるかと思うと、、、兄弟みたいなものだったよ。」
真穂子「私がもっと偉くなったら、またいつでもここの汽車を走らせてあげるわ。」
おじさん「そうか、、、お嬢様、、、頑張っておくれよ、、、期待しているから。」
真穂子「ええ、任せておいて、きっとまたおじ様を乗せて差し上げますわ。」
おじさん「ああ、ありがとう、、、お嬢様と会えるのも今日で最後かと思うと、悲しいよ。」
真穂子「大丈夫、私はここの町に住んでいるもの、きっとまた近いうちに会えますよ、、、。」
おじさん「そうだな、、、じゃあな、お嬢様。」
コートの襟に両手を当てて、おじさんは行ってしまった。
、、、だが、足が止まる。
おじさん「そうだ、、、お嬢様の名前、、、訊いてなかったな、、、。」
「教えてくれないかい、、、。」
そう、私達はお互いに相手の名前を知らない。
そんなものは必要無いのよ、、、。
だけど、、、今日は良いわよね、別に。
真穂子「木暮、、、真穂子よ。」
おじさん「ありがとよ、、、。」
今度こそおじさんは止まらずに、粗末な改札口をくぐって駅を出ていってしまった。
、、、泣いていたわね、、、。
そうよ、、、あの人の為にも明日からは私は頑張るのよ。
風。
風が吹いた。
それは秋にとっては、冷た過ぎる風だった。
しまったわね、、、暖かくしてこれば良かった、、、。
そう思った途端、目の前が真っ暗になる。
暗中模索、まさしくそれだった。
手で頭辺りを触ってみる。
、、、暖かい。
乗客2「ははは!!」
「みっともないぜ!お姫さん!」
、、、この憎まれ口は、、、。
急いで頭から被さった物を引き剥がす。
真穂子「もう、、、悪戯好きね、、、。」
そこには笑い転げている悪戯好きの学生が居た。
そう、この男の子もいつも私に話し掛けてくれる。
、、、いつも変わった事を話してくれる、私は彼の話を聞く事が好きだった。
いつも隣に座って、何かを話し始める。
学生 「やあ、今日も待っているんだ?」
真穂子「そうよ、悪いかしら?」
学生 「いや、そんな事は無いよ。」
気付くと彼は私の隣に座っていた。
また、彼の話が始まるのだ。
学生 「今日はな、学校が半日だったけど、、、一時間目で抜け出してきちゃったんだぜ。」
真穂子「え、私に言われても困るけど、、、。」
学生 「いや、お姫さんには、話す価値があるんだ。」
「それに今日は、一杯話そうと思っていてね。」
真穂子「そう、、、。」
学生 「じゃあ、何から話そうかな、、、。」
彼の話は昼まで続いた。
やっぱり不思議な話をしてくれる。
いつもいつも驚かされているわ。
そして、私の世界がすこしずつ広がっていくの、、、。
だけど、、、今日からもう心は広がっていかない、最後だから、、、。
学生 「じゃあ、、、そろそろ行くわ、俺。」
真穂子「ええ、ありがとう、楽しかったわ。」
私は、出会い際に被されたコートを脱いで、彼に返す。
学生 「おっと、悪いね。」
真穂子「いいえ、それは私の台詞、ありがとう。」
学生 「おお、初めて礼を言われたぞ、、、。」
真穂子「嘘おっしゃい、毎日言っているでしょ。」
学生 「そだったかな、、、忘れちまったぜ。」
「じゃあ、今度こそ、、、。」
真穂子「ええ、またね。」
笑顔で送った。
さよならは言いたくない。
私は、遠くを眺めた、、、。
風。
秋には不釣合いな程、冷たい風。
思わず、屈んでしまう。
ばさっ!
真穂子「きゃっ!?」
しまった、、、なんて可愛い声を出してしまったの、、、。
って、、、冗談はいいのよ、、、。
学生 「ははははは!!!」
まだ居たのね、、、。
私は顔を出す。
学生 「寒いなら寒いって言えよ、お姫さん。」
「それ、あげるよ。」
真穂子「え、いいの?」
学生 「ああ、今までつまらない話を聞いてくれたお礼だ。」
「風邪ひくなよ。」
真穂子「、、、ありがとう!」
彼は振り返らず、片手を挙げた。
後姿が寒そうだ。
気を使ってくれたのね、、、ありがとう。
私は貰ったコートを羽織り、居住まいを整えた。
真穂子「お昼かぁ、、、。」
世間はお昼。
お腹が空いた、、、、近くにレストランがあるからそこに行こうかしら、、、。
いいえ、駄目よ。
今日はここを離れないの、そう決めたんだから。
駅員 「列車が参りまーす、、、。」
二時間に一本しか通らない汽車が再びこの駅に停まる。
この時間は、あの家族がいつも汽車から下りて来る。
乗客3「と〜ちゃくぅ〜!」
乗客4「こら、、、危ないわよ、、、繭(まゆ)」
そう、あの家族。
優しそうなお母さんに、可愛い娘さんの繭ちゃん。
あの人達を見ていると、幸せになってくる。
私には、、、お母さんが居ないから。
繭ちゃんが元気良く走り寄ってくる。
繭 「おね〜ちゃ〜ん!!」
母親 「こら〜、繭、御迷惑でしょう。」
真穂子「こんにちは、繭ちゃん。」
「良い天気ですね、お母さん。」
そう、私は、彼女の事を「お母さん」そう呼ばせてもらっている。
だが、それも今日で最後、、、。
母親 「ええ、そうですね、、、真穂子さん。」
真穂子「本当、、、憎たらしいくらいに綺麗な空ですね。」
そして、私に話し掛けてくれる大勢の人達の中で、唯一彼女だけ私の名前を知っている。
4年前、最初に話し掛けてくれたのも彼女だった。
その時、、、名前を言った気がする、、、。
繭 「おね〜ちゃ〜〜ん。」
繭ちゃんが私の胸に、顔を埋めて来る。
繭 「うぅ〜、、、気持ち良い〜、、、ふかふか〜。」
真穂子「あははは、、、くすぐったい、、、。」
母親 「こら〜、繭、真穂子さん困ってるでしょ。」
繭 「はぁ〜い、、、。」
渋々顔を離す。
真穂子「良いですよ、別に。」
と言って、私は繭ちゃんを膝の上に座らせる。
軽い繭ちゃんの体重が、心地良い。
繭 「あっ、そうだ、、、。」
と言って、私の膝から飛び降りる。
そして、背負っていた鞄から、繭ちゃんは手を入れて、何かを探し始めた。
母親 「あ、今日は繭から、真穂子さんに渡す物があるんですよ。」
真穂子「え、、、。」
繭 「あったーーー!」
そういって取り出した物は、一枚の綺麗に丸めてある画用紙だった。
そして、繭ちゃんは恥ずかしそうに私にそれを渡してくれた。
繭 「繭ね、繭ね、おねえちゃんを描いたの〜。」
真穂子「え、私を?」
母親 「ええ、今日保育園で描いたらしいんですよ、真穂子さんの似顔絵。」
繭 「あぁ〜おかあさん、それ繭が言うんだよ〜。」
ぷー、と頬を膨らせて怒る繭ちゃん。
桜色に染まっている頬が可愛らしい。
真穂子「え、いいんですか?私が貰って、、、。」
繭 「うん!」
「早く見て〜おね〜ちゃ〜ん。」
両手をぐるぐる回して、そう私を急かした。
その期待に答えるべく、私は画用紙を広げた。
真穂子「、、、。」
涙が出てきそうだった。
いや、、、出ているかもしれない、、、。
そこには、お世辞にも上手いとは言えないが、一生懸命に描いた跡が伺える絵が私に向かって微笑んでいた。
大きな瞳に、長い髪の毛、私が以前好きだといった、淡い茶色の服を来た私が描いてあった。
端に、「おねえちゃんへ」とクレヨンで添えてあった。
それを見た途端、涙が溢れて、、、止まらなかった。
繭 「どっか、、、痛いの?」
真穂子「、、、。」
力なく首を横に振る。
酷い顔をしているのだろう、、、今の私は。
母親 「お姉ちゃん、嬉しいんだって、良かったね、繭。」
繭 「え、ホント、ホント!」
「わ〜い!!」
そういって私の周りを元気良く駆ける。
それは、私の涙が止まるまで続いた。
真穂子「そうだ、、、私も繭ちゃんに、、、渡す物が、、、。」
そう、私は今日の朝、一時間かけて選んだ贈り物があった。
それは、私が小さな頃、私のお母さんから誕生日プレゼントとしてもらった赤いカチューシャ。
真穂子「はい、、、繭ちゃん、着けてあげるね。」
繭 「うん!」
と言って頭を出してくる。
小さな頭。
お母さんが私に着けてくれた時も、こんな感じだったんだろう、、、そう思えた。
母親 「ありがとうございました。」
繭 「うふふふ〜、、、似合う〜?」
真穂子「うん、可愛いよ。」
繭 「きゃぁ〜〜〜、、、。」
顔を真っ赤にして照れている繭ちゃん。
あげて良かった。
母親 「それでは、、、真穂子さん、、、またいつか会えますよ。」
真穂子「そうですよね。」
繭 「ばいば〜い。」
体全体でバイバイをする繭ちゃん。
その繭ちゃんを連れて、お母さんはこの駅を出ていった。
どれだけ時間が経ったのだろう、、、。
あの後、数回汽車は来たものの、気の強いあの子は乗っていなかった。
私に話し掛けてくれた人も、勿論居た。
駅員 「列車が参りまーす、、、本日最後の列車でございます。」
夕焼け。
秋に相応しい、綺麗な夕焼け。
風も一層冷たくなり、私の隣に座っている、繭ちゃんが描いてくれた似顔絵も、心なしか寒そうに見える。
薄暗くなった林の方から、一つの光が見えてきた。
最後の汽車。
あの子は乗っているのだろうか、、、。
真穂子「あら?」
私は驚いた。
いつもはがら空きの汽車が、、、満員だった。
どうしたのだろうか、、、。
私が理解できずに居ると、汽車は到着した。
乗客5「と〜ちゃくぅ〜!」
乗客6「こら、、、繭、危ないでしょ。」
この場面、今日、、、見なかっただろうか、、、。
私をよそに、満員の汽車から人々が下りて来る。
乗客7「よっ、お嬢様、また会えたな。」
真穂子「あら、、、おじ様、、、。」
乗客8「あっはっはっはっ!お姫さん、六時間振り!」
真穂子「あら?」
繭 「おね〜ちゃ〜ん!」
母親 「人様にぶつかっちゃ駄目よ、繭。」
真穂子「、、、繭ちゃん、、、。」
そうか、、、みんな、、、最後だから一駅向こうから、終点のここまで乗って来たのね、、、。
そんな事しても、、、無駄なのに、、、。
でも、、、嬉しい。
みんな、私に一言二言言って、改札口に消えて行く。
私は、あの子の姿を捜した。
真穂子「何も、、、こんな時にだけ約束破らなくてもいいじゃない、、。」
約束。
そう、あの子は約束を破った事は無い。
何も、、、こんな時にだけ破らなくてもいいじゃない、、、。
駅員 「お客様、、、そろそろ閉めたいのですが、、、。」
駅員が話し掛けて来た。
そうか、、、寝てしまっていたのね、、、。
真穂子「ごめんなさい、、、今出て行きますから、、、。」
汽笛。
汽笛の音がした。
真穂子「!?」
男 「真穂子、、、来たかね、彼女は。」
真穂子「え、あ、お父様、、、どうして。」
父親 「いやな、どうしても乗りたいとゆう女の子が居てだな、電話をして来たんだ。」
真穂子「え、それって、、、。」
父親 「さあ、どうだかな、、、。」
どきどきした。
こんな気分は何年振りだろう。
妙に期待してしまう、早く来なさいよ、、、。
特別の一車両の汽車は到着した。
乗客は、、、見た事の無い、、、女の子だった。
真穂子「なんだ、、、違うの、、、。」
一期に脱力した私の体は、ベンチへと吸い込まれて行く様に、腰掛けた。
隣には、画用紙。
真穂子「先に帰っています、、、。」
画用紙を持って、立ち上がり、改札口へ、、、。
車掌 「こら!何処行くの!真穂子!」
声。
懐かしい声。
私は、反射的に振りかえり、歩み出す。
真穂子「美雪(みゆき)、、、。」
美雪 「なによぅ〜、今にも泣きそうな顔して、、、綺麗な顔が台無しよ。」
真穂子「いいじゃない、、、誰も居ないし、、、。」
そう、私と気の強い子意外はここには居なかった。
駅員さんも、お父様も、みんな、居なくなっていた。
美雪 「いや〜、採用されるまで時間食っちゃって、、、ごめんね。」
真穂子「遅刻よ、、、思いっきり。」
美雪 「あはははー、、、ごめんね。」
「それより、、、久しぶりね、真穂子、綺麗になっちゃって。」
真穂子「うん、、、久しぶり。」
涙。
今日二度目の涙。
嬉し泣き、泣いて何が悪い。
泣かない人間なんてこの世には居ない。
今日は、、、弱くなろう、、、いつも私を引っ張ってくれた、、、気の強いあの子に甘えよう。
美雪 「もう、、、泣かない、、、の。」
真穂子「そうゆう美雪、、、あなたも泣いてるじゃない。」
美雪 「ば、馬鹿ね、、、目薬よ、、、。」
泣いた。
今までに無いくらい、二人で思いっきり泣いた。
みっともないくらい、声を上げて泣いた。
そして、互いに酷い顔だと笑い合った。
彼女は言った。
夢を叶えるまで、顔を合わせたくなかったと。
そう、気の強い美雪は、約束を破った事はない。
たとえ、、、遅刻する事はあっても、約束は破った事は無い。
そう、こんな女の子だったわね、昔から。
いつも私を待ちぼうけにさせる張本人。
反省する色は無くて、いつも笑っている気の強い女の子。
私の昔からの親友。
『ごめ〜ん、待ったぁ?』
『待ったわよ〜、、、。』
ぷー、と今日の繭ちゃんの様に頬を膨らます。
『いいじゃない、、、たかが一時間よ。』
『二時間!』
私は、待つ事は嫌いじゃない。
むしろ、好きだ。
待っているものが来てくれる。
それは嬉しい、悲しい事は有り得ない。
その意味を教えてくれたかは分からないけど、美雪は私にいつも待ちぼうけを食らわせる。
そんな彼女が私は大好きだ。
今度は、私が夢を叶える番だと心に誓った。
ここの駅から再び汽車が走り出す事を待ち望んでいる、私の大好きな町の人々には、
待ちぼうけをさせるわけにはいかない。
私には、気の強い親友が居る。
彼女と居れば、なんだって出来る。
夢は、叶う為に存在するんだから。
そう二人で言い合った。
あとがき
電車の音。
それは普段は五月蝿くて、鬱陶しいかもしれない。
ここから1km以上も離れた線路から、今も電車の通る音がして来る。
実は、この音が好きだったりする。
自分は寝ようとしているのに、まだ何かが動いている。
世界は動いていると実感できるから、大好きだ。
それと、僕は電車は普段使わない。
乗りたいとも思わない。
だけど、駅のホームで待っている。
これが好きだったりする。
色々な人が、色々な表情をしている。
そこに、その人の人間性が見えて、とても楽しい。
化粧を直している人や、電話をしている人、新聞を読んでいる人、何もしないで座って待っている人。
僕は、座って待っている人に当てはまる。
電車にはあまり乗らないので、柄にでもなく緊張してしまうのだ。
あと、ホームで何かを待つ人の姿には、正直憧れてしまう。
だが、お断りなのが、馬鹿みたいにげらげら笑っている人とか、そういった人。
そう、今回書いたこの短編の「待ちぼうけ」これが僕の憧れる風景。
僕が住んでいる所も相当田舎だが、ここまで田舎じゃない。
普通に電車は走り、普通に車は走る。
僕はどちらかといえば、都会より田舎を選ぶ。
田舎過ぎるのも考え物だが、、、結局は、今の環境が一番だとゆうこと、これは言える。
たまに何もかも吐き出して、話を書きたい時が有る。
今回もそうだった。
一日で一気に書き上げる。
勢いに任せて、何も考えず、その時その時で頭に少しでも浮かんだ事をそのまま書き出す。
これが、僕の話の書き方。
考えるのは最初だけ。
後は特に考えていない。
素直になって、画面と向き合う、いつもこうしているし、これ意外は出来ない。
話を戻して、電車だが。
あの細長い車両には何か有ると思う。
魔物が住んでいるとかではなくて、上手く言えないが、人の心を揺さぶるもの。
それがあの中には有る。
走り出すと、一定のリズムで体を揺らし、景色を変えてくれる電車。
言うなれば、電車に乗ると、大自然の映画を見せてくれる箱ではないでしょうか、電車は。
毎回同じ映画で、少しの変化しか見られないけれど、ちょっと意識して見るといいかな、と思います。
最後に。
早朝の誰も乗っていない電車が僕は大好きだ。
まあ、空いていればそれに越した事は無いのだが、、、。
まあ、それとは違う意味で大好きだ。
死角になっている所に、何かが潜んで居そう、、、そう思えてならない。
だが、そこで席を立ち、見にいくのはルール違反。
誰かが決めた、そのルールは守るべきもの。
何か、違う考えを持って電車に乗ってみるのはいかがでしょうか。
2000年 3月12日 カク