セブン・イヤーズ・イン・チベット


キャスト

ハインリヒ・ハラー(このお話の主人公)・・・・・ブラッド・ピット
ペーター・アウフシュナイダー(登山隊隊長)・・・デビッド・シューリス
ンガワン・ジグメ(チベットの大臣)・・・・・・・B.D.ウォン
クンゴ・ツァロン(ハラー達の良き理解者)・・・・マコ
摂政・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダニー・デンゾンパ
中国駐蔵大使・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヴィクター・ウォン
イングリッド・ハラー(ハインリヒの妻)・・・・・インゲボルガ・ダプクナイテ
ダライ・ラマ(14歳)・・・・・・・・・・・・・ジャムヤン・ジャムツォ・ワンジュク
ペマ・ラキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラクパ・ツァムチョエ
ダライ・ラマの母・・・・・・・・・・・・・・・・ジェツン・ペマ


スタッフ

監督・・・・・・・・ジャン=ジャック・アノー
脚本・・・・・・・・ベッキー・ジョンストン
製作・・・・・・・・ジャン=ジャック・アノー,ジョン・H・ウィリアムズ,イアイン・スミス
原作・・・・・・・・ハインリヒ・ハラー
製作総指揮・・・・・リチャード・グッドウィン,マイケル・ベスマン,デビッド・ニコルズ
撮影・・・・・・・・ロバート・フレイズ
美術・・・・・・・・アト・ホアン
編集・・・・・・・・ノエル・ボアゾン
衣装デザイン・・・・エンリコ・サバティーニ
チェロ独奏・・・・・ヨーヨー・マ
音楽・・・・・・・・ジョン・ウィリアムズ


あらすじ

 1939年ドイツは,ヒマラヤのナンガパルパットに初登頂をめざすべく登山隊を送った.主人公のオーストリア人のハインリヒ・ハラーには,身ごもった妻がいたが,「子供なんていらない」とかいって登山隊に加わってしまう.

 利己的に振る舞うハラーと他の隊員たちの間に不協和音がたびたび起こる.いざ,登山を始めるとハラーは転落で足を痛めてしまう.隊長のアウフシュナイダーが滑落しそうになったときハラーは助けるが,足を痛めているのを仲間に隠していたことを隊長に非難される.

 登山隊は雪崩に阻まれてふもとに降りるが,そのころ第2次世界大戦が勃発していて敵国人である彼らは,イギリス軍の捕虜になってインドに連行される.奥さんやまだ見ぬ子に思いをはせながら,ハラーは戦争が終わってオーストリアに帰れる日を待ち望んでいたが,妻から離婚届が送られてきたので,オーストリアに帰らないで収容所を脱走しようと決心する.隊長と二人でチベットをめざしたハラーは,幾多の苦難の末にラサにたどり着いた.

 チベットは外国人禁断の地だったが,官僚のツァロンにより外国人ゲストの待遇を受けることになる.だんだん周囲と打ち解けていきながら,ハラーたちは自分の知識をラサの人々に教えたりした.そんな中ダライ・ラマの母親の家に招待される機会を得,ハラーはそこでダライラマの家庭教師を依頼される.そしてまだ少年だったダライ・ラマ14世に出会う....


感想

 当時ドクター論文を書かなければいけないのに見に行った映画です.うーん,悪いやつですね〜.でも,”見たい”と思っただけあって,なかなか良い映画でした.

 ほんとのところ,この映画はハラーとダライ・ラマの心の交流を描いた作品です.ブラッド・ピッドが演じる主人公の登山家ハラーはGood! 最初は自己中心的で”やなやつ”と思っていましたが,だんだん周囲の人間とうちとけていって人間的にも成長していきます.ダライ・ラマの役をやった少年も素人なのに,映画を見ているうちに「本物じゃないか」と思えてしまうくらい役に合っていました.まさに適所適材の良い見本.

 それにしても,歓迎のために僧達が何日もかけて作った砂マンダラを人民解放軍の3人の将軍が踏みにじっていくシーンや,将軍の一人が帰りしなに「宗教は毒だ」と吐き捨てるようにいうシーンとかが見ていてイヤでした.演出なんでしょうけど,昔の日本もアジアの国に対してこんな感じに横柄に振る舞っていたんでしょうね.

 最後に私見ですが,この作品を見るときは,冒頭のダライ・ラマの即位式に出てくる”オルゴール”に気をつけながら最後まで見てみましょう.結構重要なアイテムだと思います.


参考文献:「SEVEN YEARS IN TIBET」パンフレット(松竹株式会社事業部:1997.12.13発行)