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Update 1998.9.14

北海道学会紀行


 8/28(金)第1日目

 午前10:30新潟発のフェリーに乗るため6時に起床.予約していたがチケットはまだ購入していなかったので9時ぐらいに新日本海フェリーのターミナルに着くよう7時半ぐらいに家を出た.新潟駅に8:08に到着.
 フェリーターミナルまで歩くのがつらそうだった(徒歩で40分ぐらいかかる)のでバスに乗る.ただし降りるバス停が3つばかり早すぎて,結局10分ぐらい歩く.そういうことでフェリーが見えるからと言って「北埠頭」で降りないように!!「山の下郵便局前」で降りよう.
 そして8:45ぐらいにターミナルに着いてチケットを購入.二等寝台で片道7,030円,往復で買うと復路が10%引きになるので合計13,360円となる.これから乗るフェリーは「フェリーあざれあ」(写真は同型船の「フェリーしらかば」:絵はがきより=以下の写真も同様)で9:45乗船.フロントでチェックインして荷物を寝台に置きに行く.寝台は2段ベッドで2組が向かい合わせになっていて4つで1組になっている.それが1部屋に6組あるから24人泊まれる勘定だ.荷物を置いた後,出航まで時間があるのでお約束の船内探検.強い雨が降っていたので外には出なかったが,行ける範囲はクリアしたつもりだ.

 10:30定刻に出航.海上では,雨+風でもちろん外には出られなかった(「5〜10mの向かい風なので,外に出ないように」とのアナウンスがあった).船の中を歩き回るのは2時間ぐらいで飽きて,部屋に戻り発表の原稿を見たり本を読んだりして過ごした.夕方ロビーでテレビを見ていたら,新大の修士2年の池田君と林部君に合う.彼らもレオロジー討論会で発表する仲間だ.
 福島,栃木,茨城の水害はひどいらしい.那珂川や阿武隈川が増水して危険である.吉田君の実家は大丈夫だろうか,東京方面に行った石山君は大丈夫だろうかと思いつつニュースを見ていた.この前の新潟もひどかったけど,今度のはさらに輪をかけて被害が大きい.中国の方もまだ水が引かないみたいだし,新潟がやられるちょっと前には韓国でも豪雨だった.最近の東アジアの気象は変だ.エルニーニョの後遺症なんだろう.
 夜10時に床につく.船はあんまり揺れないけど,エンジンの振動と明日の発表のせいで寝つけない.1時間おきぐらいで目が覚めてしまうので寝不足になってしまいそう.


 8/29(土)第2日目

 朝3時に目が覚める.30分ぐらいウダウダした後,着替えたり顔を洗ったりして下船の用意をする.ふと外を見ると雨が止んでいるので外に出てみる.そうするとまだ夜明け前の小樽の市街地が見えた.建物や信号の明かりで,すんごくきれい(この夜景は帰りのフェリーでも見ることになる).4:00接岸.寝不足なのでターミナルで寝ていこうと思ったが,既にライダーやチャリダーの皆さんにイスは占領されていた.
 結局,朝飯を食べて小樽の街をみようと5:00くらいにブラブラ歩いていく.小樽駅への途中,「小樽運河」を発見.”ここがあの「小樽運河」か〜”と思いながら運河に沿って歩くこと10分ぐらい.その後,歴史的建造物の数々を見ながら駅に到着.結局1時間半ぐらいブラブラしていたことになる.その後江別市に向かう電車に乗る.約1時間ほどだったがほとんど寝ていた.途中「苗穂」の駅に面白い形の列車が止まっていたが,(鉄ちゃんじゃないので)形式は分からなかった.

 大麻(おおあさ)駅で降りて会場の酪農学園大学をめざして15分ぐらい歩く.途中「北海道立図書館」(実際は林の奥になって見えなかったが)や高校などがある.酪農学園大学に近づくと,なんと学校の敷地で牛が放牧されているではないか.さすが「酪農」学園大学!!.広い敷地の中を歩いて会場にたどり着いたのは8時くらいであった.その後30分ぐらい構内をブラブラする(^-^).構内のことだけでもたくさん書けそうだがこの辺にしておこう.代表して白樺並木を挙げておこう.

 受付をすました後,ずっと他の方の発表を聞いていた.私が聞いていたところは「ER流体」(ER流体:Electrorheological fluid=電場をかけると粘性などが変化する流体/けっして緊急救命医療室の方ではない)のセッションだったが,他にも「食べ物とレオロジー」とか「医療とレオロジー」とか「分散系のレオロジー」などいろんなセッションがある.で,初日はずっとERの方を聞いていた.
 自分の発表は午後4:30からで,ずいぶん後だった.私の発表は「小孔流出ジェットの速度場や直径に関する研究」についてで,正直に言っちゃうと数値計算がうまくいっていなかったので,内容的にはあんまり濃くない.発表ではいろいろあったけど時間内で終わって質問コーナーへ.内容が”無いよう”なのであまり難しい質問はなかったと思うが,座長をされていた東工大の持丸先生に大分助けてもらってしまった.先生すいませ〜ん.
 お仕事で北海道に行ったので,本来なら自分の発表の話をたくさん書かなければいけないのだろうが,これは報告書じゃないし今これを読んでいる皆さんにはつまらないだけだろうから,この辺で止めておこう.そういえば,そのうちHPに予稿のアブストラクトを載せるつもり.

 新大グループの発表が終わって今日のセッションは全て終了したので,札幌に戻って皆さんと一緒に,すすきのまで飲みに行く.メンバーは持丸先生,高橋先生(長岡技科大),菜嶋先生(計量研),栂さん,私,池田君,林部君の7名(長谷川先生は理事会に行ってしまった).焼き肉食べてラーメン食べて,映画館のナイトショーで「ディープインパクト」を持丸先生と菜嶋先生以外の5名で見る.栂さんは,前日に長谷川先生と見たそうなので2回目であった.栂さん同じのにもう1回つきあわちゃって,ごめんなさいね〜.(この映画についての長谷川先生のコメントが流体屋さんらしくなかなか目の付け所が違っていて良かったのだが,ここでは載せないでおこう.)


 8/30(日)第3日目

 私にとってのメインイベントは昨日で終わったが,学会はまだまだ続くよ.
 今日も発表を聞く.「外球回転時における粘弾性流体の球クエット流れとそのトルク特性」と「スリッド間における高分子融液流動の数値解析」「回転円板による粘弾性流体の容器内流れ」「低粘度粘弾性流体の過渡的平面伸張流れにおける光学的異方性の応答」は興味をもって聞いていた.そして一番聞きたかったのは午前中最後の講演で「宇宙における流体現象」.想像していたような宇宙船の中のお話ではなくて.銀河系や宇宙の階層構造やブラックホールなどのもっとスケールの大きい話だった.

 午後は何も無いので,栂さんと二人で札幌市内の観光をした.まず北海道庁旧庁舎に行ってみる,古い木造の建物は味わいがあってGood.廊下や階段を歩きながら栂さんと「昔の学校は木造だったから良かったね」と話したり,壁に掛けてある北海道の歴史を描いた絵を見たりした.ちょうどこの日は北海道マラソンが行われていたので,3時くらいに北大の脇の道を一般のランナーが走っていくのを見ることができた.
 その後,北大キャンパス内の散策をした.クラーク博士に会った後,農学部を見てポプラ並木へ行ってみた.並木のそばにある農場がとても広くて感動.そして工学部や医学部などを見た.1時間ぐらいしか歩かなかったが(その前に2時間ぐらい歩いていたせいか)ヘトヘトになる.途中で断念してホテルに戻る.
 夜に,食事のついでに北大に再チャレンジ.目標は1回目で行けなかった低温科学研究所と獣医学部方面である.獣医学部はマンガの「動物のお医者さん」ファンとしては1回で良いから見てみたいところであった.動物病院は実在していたし満足して北大を後にした.そのあと,夜の札幌市内を歩き回ってホテルに戻った.


 8/31(月)第4日目

 討論会最後の日.分散系の話って今1つ分からないなあ.その中でモンテカルロ法によるシュミレーションの結果を会場にパソコンを持ち込んで見せてくれた方がいて思わず「おお〜」.午前中の最後に「代用血管の生体内態様」の講演を聞いた.メインは自己の血管や人工の血管を移植するお話だったが,血液が通わなくなって患部が腐ったりミイラのようになっていたりして結構グロいスライドがあった.そのおかげで,高脂血症や高血圧など血管に関する病気ってヤバイのねということがよく分かった.私のようのデブの人は気をつけねば.
 ここで,休憩室のアイスの話をしておかねばならない.討論会をやっている建物の隣の棟は休憩所になっていて,牛乳とアイスが置いてあった.受付などをしている学生の話では,牛乳はパックに入っていて残念ながらそこの大学で採れた物ではないそうだが,アイスは自家製だそうだ.バニラ,チョコ,ゴマの3種類があって普通の店で売らせている量の2倍ぐらいで,なかなか食べ応えがあった.3日間で全種類制覇してやっぱりバニラかなというところだが,ゴマ味は今まで食べたことが無かったのでなかなか新鮮な味覚であった.ああ,また太ってしまう〜.

 討論会が終わった後,長谷川先生のグループは千歳空港へ行くので札幌駅で別れた.私は帰りもフェリーなので小樽へ行くのだが,まっすぐ行くと時間が余るので札幌市内をまた歩き回った.時計台やテレビ塔,大通公園を見てきた.本当は植物園を見たかったが月曜日でお休み.研究室や下宿の大家さんへのおみやげを買った後,午後4時くらいに札幌を出発.
 快速だったので4時半には小樽についてしまう.そこで「うーん,しまった.天狗山行っておくべきだった」.出航が20:40なので,4時間はあるが,ぎりぎりぐらいなので止めてしまった.結局小樽市内を歩き回って6時くらいにはフェリーターミナルに着いてしまった.歩き疲れたのでロビーで出航の時間まで待っていることにした.ジャージ姿の人が何人か居たが,話を傍らで聞いていると,どうやら新潟県の方々で昨日の北海道マラソンに出場していて,めでたく完走したらしい.ひょっとしたら昨日見た人々のうちにいたかもしれない.

 フェリーは「ニューはまなす」.車両の積み込みに時間がかかって20:50に出航.どんどん小さくなっていく港や小樽の街の夜景を後ろの甲板で見ていた.港の沖には別のフェリーが照明をつけて停泊している.南の方には札樽道であろうかオレンジ色の光の列が続いている.フェリーは結構速いので外にいると背中に当たる風が寒い.30分ぐらいで中に入った.1日の疲れがたまっていたのか,部屋に戻るとエンジンの振動が気にならずにすぐ寝つけた.


 9/ 1(火)第5日目

 朝6時くらいに目が覚めて甲板に出てみる.天気は晴れ.津軽半島だろうか陸地が見える.昨日ロビーで見かけた人がジョギングしてた.

 朝食の後,ずっと甲板で読書していた.これは今回の旅でぜひやってみたかった事の一つ.午前午後合わせて6時間ぐらいは読んでいたかも.おかげでへんな焼け方をしてしまった.その間に船の後ろの渦を見ながら流体力学的に考えてみたり,すれ違う別のフェリーや,男鹿半島,鳥海山(?),鳥島,粟島,東港沖の油田を見ながら新潟市沖に到達.

 海の水の色が深いマリンブルーから川の水と混じってちょっと黄土色っぽい色に変わる.NEXT21は遠くからでも分かる.船の右舷の方から佐渡汽船のフェリーが近づいてきて「はまなす」の前の方に出る.防波堤で釣りをしている人がいる.港に入るとロシアの貨物船や北朝鮮の船(万景峰号だろうか.お恥ずかしながらこの時点ではミサイルのことはまだ知らなかった)が停泊していた.いつも街に出ると万代や古町には行くけど港まで行かないから,見るものが結構新鮮だったりする.15:00接岸

 その後,新潟駅にたどり着くまでが一苦労だったが,ここでは省略.バスを待っている間,埼玉の人と雑談する.新潟駅でその人と別れたあと,まっすぐ内野に戻って今回の旅は終了.


 まとめてみると「北海道学会紀行」と題打っているわりには学会の話は短かったようですが,ちゃんと学会で発表したり人の発表を聞いて勉強してきました.関係者が見ると物足りないかもしれませんが,今これを読んでいる人は”一般の人が多いかも”と思ってこういう形にさせてもらいました.しかし,書いているうちに意欲が減退してきたり仕事をやっていて忙しかったりしたので,日を追う毎に文章が短くなっていますね(^-^;).文章としてまとめ直すのが大変なので,今後学会に行っても「○○○紀行」と題したこの手の企画はたぶんもうないでしょう.