新保の頭脳さんの作品




(1)「ホームにたたずむある一人の老人<男>」
この老人は何を見つめ、何を考えているのだろうか。
この老人はただ汽車、もといもとい電車を待っているだけでは
ないことは確かだ。きっと電車を待ちながらも
「汽車は定刻どおりに来るだろうか」など心の中で思いつつも
何かにおびえている・・・。
心の中は「日常」か「非日常」か・・。
私には読めない。この老人は「現代」そのものである。
わたしはいい瞬間に出会えた。



(2)「ROUTE 2 TOKYO」
なつかしい限りである。私も若かった。
当時、進駐軍がいて声をかけられたものだ。
子どもたちは「ギブ ミー チョコレート」ないし「キャラメル」
と言っていたものだ。闇市もあった。虱も流行した。
マッカーサーも思い出す。こうしてわたしは年老いてきた。
「主人を日露戦争で亡くしまして」と言っていた知人の夫人も年老いた。
みな年老いてゆく。みているあなたもその一人である。


第3回ギャラリーに戻る